063885 ランダム
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行列のできる?! 引越相談所!

天空の城から。。。

天空の白から。。。。
今日の見積りは朝から気合が入ります。
なぜなら市内でも一番の高級マンションの見積りだからです。
高層43階建てで、上の階はいわゆる億ションで芸能人の方や野球選手もお住まいのマンションだからです。
我々引越の営業マンは、売上金額で評価されますので当然 荷物量の多い方や、長距離への引越は単価がアップするので、是非ともご契約を頂きたいお客様だからです。
そして今回のお客様は、そのマンションの38階に住んでいる丸山様(仮名)です。

早速見積もりに到着しました。マンションの入り口駐車場にはベンツ・BMW・ボルボ・ポルシェ・フェラーリーなどなど高級車が駐車されていて、さながら外車ディーラーのようです。

玄関を入ると、オーロックではなく、守衛さんが受付に座っています。
「○○○引越センターですが、38※※号室の丸山様へお伺いしました。」と私がお話しすると、守衛さんは「伺っております、どうぞ奥のエレベーターでお上がり下さい。」と丁寧の対応していただきました。
さすが高級マンション、オートロックじゃなくちゃんと受付があります!
そして高速エレバーターで38階へ到着です。
インターホンを押すと、中から常盤貴子似のきれいな奥さんが出てきました。
「どうぞ♪」と中へ招いていただきました。
するとどうでしょう!リビングの大きな窓からは38階から下界を見下ろす感じでとても絶景でした。

ティファニーのカップで紅茶をだして頂き、お見積りの開始です。丸山様のお引越は転勤です。ご主人のお勤めは航空自衛隊勤務との事です。
自衛隊にお勤めでこんな高層階に住めるのはやっぱり航空自衛隊だからかな?と考えながらお話を伺っていると、実はこのマンションは奥様のご両親が購入されたが、奥さんの結婚を機にご両親が、「やっぱりマンションより一戸建てが良いからとあなた達住んで!」と譲って頂いたそうです。奥様はお嬢様でだったんですね。

でも、この部屋は管理費が3万円・駐車場も2~3万円するそうでその分はご自身で支払っているので、普通の家賃みたいといってました。
やっぱり一時的にお金があってこんな高級マンションを購入しても、維持するお金も高級ですね(・・);庶民には高値の華ですね。

 ちなみに下の階やお部屋の間取りが小さくなると安くなるそうです。
今回、丸山様の引越先は隣の県の自衛隊官舎への引越でした。そして見積り金額は20万円と算出しました。ところが、ご主人が会社(自衛隊)の方から引越代金は10万円と言われているので10万円しか出せないといわれてしまいました。
これは契約取るのは結構な戦いになるぞ、と思いながらもお話を続けます。 実際、今までも何回か自衛隊員の方の見積りは伺った事があります。

自衛隊の場合、引越はトラックだけ来ていただければ荷物の積み降ろしは同僚や部下の自衛官の方が手伝ってくれるのでそれで良いと言われます。
しかし小さな引越会社や、運送会社ならそれも許されますが大手引越会社ではお客様に荷降ろしを手伝ってもらうわけには行きません。
なぜなら、お客様が手伝ってもし破損をさせたら誰の責任か明確に出来ないからです。
そんな決まりがあるので当然トラックだけを持ってくる運送屋さんと比べると料金差が出てしまうからです。

とりあえず今回の見積りは検討中となりました、丸山様は他の引越会社へも確認するとの事でした。
営業マンとしては辛いのですがしかたありません、後日連絡することとなりました。

数日後、丸山様へ連絡を入れると他2社も料金的には私と同額だったとの事です。したがって考えあぐねている感じでした。
絶対に自腹は切りたくないと言う丸山様に、ご希望の月末の土曜日・大安は一番料金の高い日です。それを当社の一番暇な日時に変更して頂ければ、ご希望の10万円で行うご提案を出したところ、丸山様もしぶしぶ納得頂きご契約を頂きました。
(実際、引越は月末で週末が大変混み合います。しかし月半ばの平日の午後で日柄も仏滅となると、まったく仕事が無かったりするのです。)

結構てこずりましたが、何とかご契約を頂きそして引越当日です。
この高級マンションは貨物用のエレベーターが付いている為、引越作業で一般の住人の方にご迷惑を掛けずに作業ができます♪しかし廊下とエレベーターまでがジュウタン敷きの為台車がスムーズに動かず苦戦しました。
荷造りはしっかりとして頂き、作業も大変やりやすい現場となりました、何より38階のリビングからの見晴らしは最高です。「本当はこんな良い住まいから引っ越ししたくないんだけど。」と奥様とご近所の方が話していたのは印象的でした。

何とか荷物の積み込みも完了し、ご近所の奥さん達もご挨拶にこられましたが、皆さん上品でおしゃれな奥様ばかりで、このマンションのレベルの高さが感じとれまました。
そして新居へGO!

新居は隣の県の自衛隊官舎です。航空自衛隊の基地に程近い官舎は昭和40年代頃に造られた鉄筋コンクリートの4階建ての2階部分でした。
決してきれいな建物と呼べる代物でもなく、官舎の為普通の賃貸マンションなどと違いハウスクリーニングがされていません!以前お住まいの方が自分で掃除をした程度で、畳には前の方タンスの後がクッキリと・・・・。
この建物を見た奥さんの顔は引きつっています!我々には聞こえない所で、夫婦の口論が続いているようで、新居の荷物の配置がなかなか決まれません。
それでも何とかご指示を頂き、荷物のセットアップは完了しました。気まずいご夫婦の場所から逃げ出すように、作業を終了して我々は帰路につきました。

それから2週間後、一本の電話がはいりました。
「先日引越をお願いした丸山と申しますが又、引っ越しをお願いしたいのですが!」と連絡がありました。

丸山様の引っ越しを担当したスッタフ一同は「ヤッパリ」と声を出してうなずきました。
高級マンションの38階の生活をしていた方が、あの官舎では我慢できないんじゃないの?と思っていました。実際それ以外でも奥様にとっては色々と我慢できない事が多かったようです。
ご主人はパイロットではないけれどもエリートさん、以前住んでいた影響か車はボルボのステーションワゴン、子供や奥様の服装も品がいいときている為、同じ社宅の方となじめなかったようです。そしてもっとすごいのは、当然 航空自衛隊の近くですから、空には時々ジェット戦闘機が飛び交います。その騒音のすごさはテレビでよく見た沖縄の普天間基地と同じです。でも自分の勤めている自衛隊を訴えるわけにもいきませんよね。ちなみに近くに一般のマンションが無いことからも想像がつきます。

そんな悪環境にお嬢様育ちの奥さんが我慢できずに2週間で基地から離れたところでマンションを借りたので再度お引っ越しとなりました(^^)
当然、今回の引っ越し代金は個人負担です。新しく借りたマンションの費用も当然丸山様が負担するわけで、結構無駄な出費が増えてこの2週間夫婦喧嘩がたえなかったそうです。

ちなみに、今の一般自衛隊の引っ越し費用はいつ決めたのでしょうか?エアコンは贅沢品なので個人負担とか、金額は10万円までとか物価のスライドを考えずに昔決めたままのようですね。
でも、上層部の方たちは別なんでしょうね?社宅も高級なマンションタイプで家賃5,000円とかがワイドショウーでよく取り上げられてますからね。
この後、この丸山様ご夫婦は新居へ引っ越ししましたが、天空の城に住んでいた奥様ははたして次の場所になじめたのでしょうか?
次のマンションでも以前の高級マンションとレベルがかなり違いますので、奥様がなれるか、ご主人が頑張って出世するしかないでしょうね。(^ё^)


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